shibamike

劇場版 荒野に希望の灯をともすのshibamikeのネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

(ネタバレしていないつもりが、ネタバレしてしまっているので未見の方は読まない方が良いです!)



















こんなに凄い人がいたのか…ということに驚くばかりだった。

立派な人っていうのは、多くの人を笑顔にする人なのだなと思わされた。
笑顔と言ってもその場限りの一瞬の笑顔じゃなく、安心している状態の笑顔。
衣食住に不安がなく、家族みんなとりあえず元気で、さういうのが人間らしい生活ということなのだらうなと思った。

序盤にアフガニスタンのとある村の偉い人が先生に厳しく質問する。

偉い人「気まぐれで今だけ手助けして、すぐにいなくなってしまうんじゃないですか?」

厳しい状況の村人達は今までさういう一瞬の善意ばかり受け、うんざりしていたのかも知れない。
でも、先生の覚悟というのは本物だった。
本当に本当に本当に本物だった。
アフガニスタンがテロ国家として世界中から(というかアメリカ)悪者扱いされて爆撃されやうが、100年に一度の大洪水が襲いかかってめちゃくちゃな状況にならうが、立ち去らなかった。
アフガニスタンから立ち去らなかった。
「日本人なんで帰ります」
「家族が心配してるので帰ります」
「自分には手に負えないので無理です」
なんて言わなかった。

フィクションの映画の主人公は誰もが無理と思うことをやり遂げる。でも、この映画では本当に生きているノンフィクションの人間がさういうことをやり遂げていた。

元々は医者として従事していたのが、住民の生活安定こそ健康に不可欠という考えから土木工事などに奔走した先生(これ、本当に規格外で凄まじい)。
先生にとって医学も土木も手段でしかなく、「困っている人の力になりたい」というのが根本なのであらう。
自分のちっぽけさを思い知らされるばかりだった。

先生が亡くなった後、アフガニスタンには記念の塔が建てられた。その塔に先生の肖像画が描かれているのだけど、作業着で笑顔の先生の絵であった。現地の人達にとって、先生は現場で明るい気さくで身近な人だったというのがしみじみ思わされた。


柴三毛 偉人の一句
「凄過ぎて 凄いとしか 言えないね」
(季語:凄い→先生→春)
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