YAJ

砂上の法廷のYAJのネタバレレビュー・内容・結末

砂上の法廷(2015年製作の映画)
2.9

このレビューはネタバレを含みます

【キャストで観る】

 何を楽しみに今も映画を観続けているか?と問われれば、「どんでん返し」と答えます。
 それは映画体験の初期に観た「スティング」の影響(いや「猿の惑星」かもしれない)。 以降、新たなどんでん返しな映画を求め彷徨う日々だったりします(笑)

 夜、家人が別用だったので、じゃぁ独りで鑑賞するかと仕事帰りに日比谷に立ち寄り開始時間と上映時間の短さで本作を観ることに。予告編をTOHO系他作品鑑賞時に観ていたので概要はなんとなく知っていた。どんな「どんでん返し」があるかな?と期待しての鑑賞。評価は星5つ中3に届かずというところかな。

 この手の映画はネタバレになってもいけないので、あまり感想を書けないのが残念なのですが、「スティング」には遠く及ばないし、同じくどんでん系の「シックスセンス」よりもちょっと下かな、ってところです。



(ネタバレはなし)



 敏腕弁護士役のキアヌ君は、なかなかかっこよかったです。陪審員制度のアメリカの法廷。彼らを味方につける手練手管を助手に語ることで我々にも理解させてくれる手法が良かった。キンシャサの奇跡を例に出し“人は一方的に負けている側を応援したくなるもの”と語り、助手の特技である証言者の仕草や一瞬の沈黙などから嘘を見抜く能力を利用しての心理分析はワクワクさせられた。

 陪審員制度の弁護士は法廷でのテクニックが証拠や論理の正当性よりも重要、いかに陪審員を自分たちの味方に付けるかがカギというのがよく解る。このあたりが”お天道様は見てるのよ”の日本人的発想と相入れないところというか、そんなことで判決が覆っちゃうのか~と、いつもこの手の映画では思うところ。

 びっくりなのは、レニー・ゼルウィガーだなぁ。すっかり変わっちゃって。最初はホント誰だか分らなかった。というかレニーだという確信がしばらく持てなかった。私の中では”ハリウッドの山瀬まみ”的な、ぽっちゃり悪女なんだけど、相応に齢を取り見事にスリムになり、大学生になる息子がいる世代の母親役にハマってました。

 個々の登場人物の描き込みや伏線の少なさ、容疑者の黙秘の理由(いつから真実に気付いていたのか疑問が残る)とか、いろんな部分で掘り下げきれてない感はあり、評価は低い作品だと思う(観客も少なかったな~・苦笑)。これを120分でやられたら辛かったけど、コンパクトにサクっとまとめた潔さは良かった。

 映画はキャストを観る楽しさもあるので、キアヌとレニーの演技で、自分の中では☆0.5は加点できる作品。
YAJ

YAJ