チョマサ

フリクリのチョマサのレビュー・感想・評価

フリクリ(2000年製作の映画)
4.0
9/30観賞
OVA6話のアニメ。Gyaoで新作映画公開記念にやってたから観てみた。新作はたいへん不評。

他にもみた映画があったのだけど、これのレビューを書きたいからこれから書く。

正直、なにがやりたいのか全然わからない作品。でも魔紗雪さんが語ってる「まあ、鶴巻くんの青春時代がここに詰まってるんだなって(笑)」って言葉で、なんかこれとエヴァがどんな作品かしっくりくる見解ができた。

ナオ太、マミ美、エリが抱える問題や鬱屈した感情をちゃんと作って見せるからギリギリ成りたってる。それと何にもない、どこにでもあるような地方都市を舞台にしてるのも共感を呼んでる。
『ルパン三世』の演出まで含めたパロディや製作現場の内輪ネタも物語とはちょくせつ関係がない。じゃあ何であるのかというと、人間ドラマ部分で吐露したきもちをごまかすためか、単にふざけてるからだとおもう。

この内輪ネタやパロディとかの演出スタイルは、後続の作品にめちゃくちゃ影響を与えてると思う。『銀魂』とか、このおふざけをメインにしたような話だ

これは製作現場や少年のときの気持ちをごちゃまぜにしたスケッチのような作品だ。こどものときに抱いていた気持を見せたかと思うと、ごまかすために謎を見せたりふざけだす。鶴巻監督がかかえていたものを現場のスタッフも交えおふざけもふくめてぶち込んで出来たのが、歪だけどポップなこのアニメだ。

これを観ると旧エヴァも当時の自分をダイレクトにぶちまけた映画なんだとおもう。いろいろ設定はあるけれど、あのアニメの後半は自分がつくった設定と世界、そしてキャラクターに追いつめられて苦しんでいた様子を、当時の人間関係も混ぜて描いていると、今ならわかる。アスカの首を絞めたり、エヴァが思うように動かなかったり、何をやっても上手くいかないから、自分がつくったものを憎んで痛めつけて自分を嫌いになるのだ。
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