ペイン

聖杯たちの騎士のペインのレビュー・感想・評価

聖杯たちの騎士(2015年製作の映画)
3.8
“永遠の処女”ことテレンス・マリック監督の新作。

批評家と観客でいつも賛否が真っ二つになるテレンス・マリックだが、どうしても嫌いになれない作家で、毎回新作が出るたびに観てしまう。

それは彼の作品はある種オナニー気味とも言えるほど“自分に正直”で“純粋”だから。何かと“難解”というイメージを持たれる監督だが実は物凄くピュアな動機で映画を撮っている人。処女どころかもう妖精に近い人です(笑)

マリックも意識しているのか本作にはタルコフスキーの『惑星ソラリス』と同じような高速道路を映したシーンがいくつか散見。撮影監督は四度目のタッグとなるエマニュエル・ルベツキで、本作でもその映像美は遺憾なく発揮されている。いつものマリック×ルベツキ作品で良かったのだが、『ツリー・オブ・ライフ』に比べるとやはりインパクトは弱い。

ただクリスチャン・ベイル、ケイト・ブランシェット、ナタリー・ポートマン、イモージェン・プーツ、テリーサ・パーマーと絶世の美男美女しか出て来ない大変目の保養になる映画なのは確か。

てなわけでまぁ詩的で抽象的で分かりづらい部分はあるが、 ストーリーはクリスチャン・ベイル演じる心に虚しさを抱える脚本家の恋愛遍歴をただただ描いていって最終的には前を向いて歩き出すのか?出さないのか?っていう実は単純な話だし、日本庭園×ナタリーポートマンの素晴らしいショットやその他諸々美しいショットしかないから一見の価値はありです、お勧めです。
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