このレビューはネタバレを含みます
ごめん、セバスチャン!
ジャンピング土下座で謝らせてもらうよ。
山で生きるということが人をどれほど強靭にするのかよく理解できたよ。
クリスマスのアルプス山脈。
雪崩がおきたり吹雪いたり、クレバスだらけの道なき道をスイスの国境近くまで歩いてきて、「私はイギリスに亡命するからここからは一人で家に帰るのよ」と母親がわりだったアンジェリーナにじゃあねとあっさり手をふられてしまう。
こんな小さい子を?とギョッとしたものの、セバスチャンも普通に帰っていく。
ベルがいるし大丈夫なんだよ。
ハンターに母親を殺され崖っぷちに取り残された子鹿を助けるために、じーちゃんは、セバスチャンをロープ一本で降ろしてみたり。
いやはや山で暮らすってことはこんなにも人を強くする。
セバスチャンは虐待されて人間不信に落ちていたベルと心を通じあわせ、羊をおそっていると誤解されて殺されそうになるのを懸命に守ろうとする。
ベルは天才犬で人の言葉をよく理解する。
そう。話せばわかるんだ。
いやでも、ある意味本当だと思う。
敵意があるかないか。
意志の疎通をはかる努力をすれば歩み寄ることもわかりあうこともできる。
読み違えれば大怪我をする可能性はある。
だからといって歩み合う努力はやめたくないと思う。
誤った情報や先入観だけで判断しない。
間違いをみとめる勇気。
相手をゆるす勇気。
いつでもどこでもどんなことでも大事なことだ。