純

きっと、星のせいじゃない。の純のレビュー・感想・評価

3.7
”Ok.” ”Ok.”2人の合言葉が可愛らしくて愛おしい。宇宙の中で見たら小さな地球には多すぎるくらいの人たちがいて、裕福な人もいれば健康な人も何億人もいるのに、「病人」として生きることになったヘイゼルとガス。この星の失敗作なんだと自分の人生を諦めかけて卑屈になっていたヘイゼルの、恋と、友達と、家族と、生きるそれ自体のことについての物語。

人との出会いはこんなに偉大なんだなと思った。偉人100人に出会わなくたって、たった1人幸せになってほしいと願える人に出会えたら、きっとそれは恵まれている。愛されるよりも、愛することができることが、幸せなんだと思う。お互いを愛して、運命に立ち向かうガスとヘイゼルの小さな魂が儚くも愛おしかった。

わたしたちは皆不純な目的で生きてるし、全然美しくもない存在だと思う。でも、美しくないわたしたちが、美しく生きたい、良い人間になりたい、って努力するのはとっても美しいことだよね。誰1人として完璧な人がいないこの星では、皆が失敗作なのかも。だけど、どんな状況にあったって、わたしたちは生きてるし、1人じゃない。失敗作なら失敗作なりに生きてやればいい。自分の幸せは自分で決められる。前向きで悲しい2人の間にある無限の繋がりが、観ている人を優しい気持ちにさせてくれる。

展開は予想しやすいし、わたしにとってはめちゃめちゃ心を打つ話とかではなかったけど、仲間や家族の温かさなんかも感じる、綺麗な作品だった。
純