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アクトレス 女たちの舞台のmozzerのレビュー・感想・評価

アクトレス 女たちの舞台(2014年製作の映画)
4.0
「汚れた血」のジュリエットビノシュ関連2作目。
汚れた血を観て直ぐだったので、彼女の映画人生と重なる部分があるように思えてならない。

予告を観ると若い俳優とのバチバチの対決があるのかと思っていたが、クロエモレッツとの絡みはあまりなく、それよりも秘書との関係性の方が印象に残る作りだった。
台本の読み合わせをするシーンは、セリフがまるで彼女達の立場を反映しているかのようで、それがセリフなのか自分達の心境なのかがわからなくなってしまうほどシンクロしていて、最後は劇の結末と同じようにヴァルが突然姿を消してしまい関係は終わってしまう。

終盤にマリアは自分の老いや型にはまってしまっている自分を認めることになるけれど、第三者から見て彼女はそういうものを既に超越している、唯一無二の俳優であることを告げられる。彼女もまた自分を客観視できていなかった、世界VS自分のような見方になってしまっていたのだと思う。そして、全てを受け入れた形で「マローヤの蛇」の舞台に挑んでいくマリアがすごく吹っ切れたように見えた。
「マローヤの蛇」のストーリーはセリフの練習などでわかるように作られていたけれど、最後のクライマックスとしては演劇シーンをさわりだけでも入れて欲しかった。というか、個人的に見てみたかった。まあ、そこまでしてしまうと、映画の印象が変わってしまう恐れもあるので、そこは監督やビノシュの考えが反映されたんだと思うけれど。
スイスの景色が素晴らしかった。一度行ってみたいなあ。
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