猫とフェレットと暮らす人

フューリーの猫とフェレットと暮らす人のネタバレレビュー・内容・結末

フューリー(2014年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

「理想は平和だが歴史は残酷」という戦争をマッチョなブラットピットでお届けする映画。

主人公側の連合軍によって、敵側の自分達の町が陥落することを悟ったその町の金持ちや権力者が酒を飲み、わざと酩酊した中で自殺したをした場所を見てドン・“ウォーダディー”コリアー (ブラッド・ピット)が言った上記の言葉が響きました。

ドン・“ウォーダディー”コリアー (ブラッド・ピット)は主人公というか、主人公のボス的役割で、ノーマン・“マシン”エリソン(ローガン・ラーマン)という戦争経験がなかった青年が戦争によって変化するという物語。あえてこれは成長とは違う意味での変化と表現しますが、それが戦争の現場で起こる人間がアドレナリンに支配され、命の定義がめちゃくちゃなっている姿をちゃんと表現してて良かったです。

戦争の映画って重たいイメージで観ない可能性も多いと思います。私も戦争映画を観るのはあえて避けるでしょう。エンターテインメントで楽しい映画がいいと思います。

戦争映画を超絶イケメン超人気ハリウッドスター俳優という、肩書き異常な人があえて演じるのが戦争映画を観るきっかけになっていて良いと思います。

最後のフューリー号という戦車に籠って戦うとか、まぁ、ブラットピットをかっこよく映す事が全開でしたが、そこは、まぁ、いいんじゃないでしょうか。

ストーリー全体としてはわかりやすく、戦場での命の価値観を描いているのは良かったです。

現実味を与えるために本物の戦車を映画に登場させるとか。こだわりも凄いのが伝わってきます。第一次世界大戦時のナチスドイツ軍の戦車は既に破壊されまくってるので現存するのがとても少ないらしく、敵のナチスドイツ側で登場したティーガー131という名前の戦車が本物でしかもちゃんと動くもの。イギリスにある博物館から借りて撮影されてるは、映画へ現実味を与えるこだわりが伝わります。

ナチスドイツ軍のティーガー131が当時としての戦闘力がすごくて、映画で描かれてたように連合国軍の主人公が乗っていたフューリー号って名前つけてたM4A3E8 シャーマンという戦車が5台でやっと勝てるみたいな。
ナチスドイツ軍のティーガー131の主砲で撃たれたらかすっただけで大ダメージなので、それを踏まえて映像化してたらしい。
まぁ戦略的に近すぎやんとか突っ込みがあるらしいですが、迫力は満点だし、映画のハラハラドキドキの見どころとしては凄かったです。

現実味といえば、銃の球が飛び交うのも、観てて怖かった。戦場にいてるみたいだったし、いてたとしたら、すぐに死んでしまうだろう感がすごく伝わってきて怖かった。

また、途中でドイツ側の少年兵に戦車が攻撃されますが、ナチスドイツが国民のすべてを男女子供関係なく参加させていた悲惨な事を伝えるシーンは考えさせられました。

最後のノーマン・“マシン”エリソン(ローガン・ラーマン)を逃がした兵士も入隊当時のノーマンと同じ人を殺したいとは思わなかった兵士かもしれませんね。知らんけど。

私としては戦争には参加したくないのは当然なのですが、大事な人の命を守るためとか、自分の命を守るためとか、それを戦場で考えさせられるノーマン・“マシン”エリソン(ローガン・ラーマン)の立場になれば、どうなるのか?答えは分らないが考えるきっかけをくれた良い映画でした。

戦争の事を伝えるために子供にも見せてあげたい、教科書的な分かりやすさもある映画でした。