猫とフェレットと暮らす人

ハドソン川の奇跡の猫とフェレットと暮らす人のネタバレレビュー・内容・結末

ハドソン川の奇跡(2016年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

奇跡を起こした機長サリーの冷静で誠実な人間性を名優トム・ハンクスが表現しているのを、まじめ映画量産天才映画職人クリント・イーストウッド監督が作り出した、飛行機の危機は激しい表現だが、人間ドラマは静かに表現された対比も素晴らしい、良質な映画。

いきなりメーデー(緊急)怖い。そして、騒音(効果音)が凄い怖さを引き立たせてる。
どうなるの?ってドキドキハラハラさせられる。有名な事実を描いているので、無事に着水して人命が助かるのはわかっているのに、恐怖をあおる演出が秀逸。

事故調査委員会が意地悪に描かれているので、少々かわいそう。実際は、型通りの淡々とした調査で終わったらしい。まぁ、映画の演出としては、悪者を作らないとストーリーとしてに起伏が無くなってしまうから、演出としてはしゃーなしということで。

終盤の実際のフライトレコーダー通りにバードストライクから着水までの一連を一気に見せる演出も緊迫感があって良かったです。

それにしても、機長サリーの紳士的だが、少し影があるのかな?でもやっぱり、冷静で優秀で英雄的。これを演じたトム・ハンクスの演技が素晴らしい。
この機長サリーの人間性を観ている側に染み入るように伝えるトム・ハンクスの表現力に魅了されました。それを決定づけたのが、エンディングで実際の機長サリーの映像が流された時、トム・ハンクスの表現と本物がソックリなんです。見た目ではなく、かもし出す雰囲気、まなざし、たたずまい、そのあたりのにじみ出てるものが、本物の機長サリーと俳優トム・ハンクスがピッタリで、ビックリしました。

そして、登場したのは、本物の機長サリーだけでなく、オペレーターや救助やボランティア、警官、ニュースキャスターにパイロットなど、救出に関わった多くの人たち。

この映画を実現させた、あいかわらず、まじめ映画量産天才映画職人クリント・イーストウッド監督がやっぱり、素晴らしい人だという事が伝わりました。本物感を出すために、本物の飛行機(エアバス機)を購入して撮影したとか。

「ニューヨークの良心」に触れることができる、良質の映画でした。