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受難のジョークのkonomoのレビュー・感想・評価

受難のジョーク(1968年製作の映画)
3.4
とある体制下で思想犯として追放なり逮捕なりされ、人生台無しにされた人と、そういう人を告発なり密告なりした人が、その体制後に隣人としてもやもやしながら暮らしていく…というのは南米あたりでもよくありそう。

これは主人公がトロツキスト呼ばわりされて大学から追放され、軍の矯正キャンプみたいなのに送られた経験をもち、後日告発した人にじっとりと復讐を企てる話…かと思いきや。
え、そんなんで復讐になるの?遠まわし過ぎない?てか意味なくない?という謎の作戦を立てて大外しし、関係ない人を単に巻き込み、情けなーく終わった。恨むべきは最初に密告した元カノだと思うのだが、女子には甘くなっちゃうのか。

でもこういうの、当時は共感されたのかも。いざ復讐したい相手に会うとなんかへらへらしちゃったりするとことか。抱えてるもやもやを爆発させることは、人生が続く限りなかなかできない。
そもそもその場でぶん殴れたり、緻密な復讐ができるような人であれば、告発されずに上手くやれたのかも。
その辺の情けない喜悲劇的な感じが味だったのかなと思う。すっきりしないけど。

一人称で本人の姿が映らない回想(フラッシュバックというか)シーンが面白かった。
トイレのドアの窓はハート型が多いのかな。他でも観た気がする。
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