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マルケータ・ラザロヴァーのerigio73のレビュー・感想・評価

マルケータ・ラザロヴァー(1967年製作の映画)
4.2
独特の音階を持つコラールが鳴り続けていた。厳しい気候、男たちの荒々しさ、神への粗野な信仰、生命を漁りに来る獣の群れ。城壁の中の生活を守ろうとする女たちと体を欲することから始まる恋、汚れを否定する修道女。過去の出来事や妄想もストーリーに挿入され、渾然一体となったパワーに引き込まれた3時間だった。山の上に塀で囲まれた城は黒澤映画を思い出した。ストーリーだけでもハラハラドキドキ十分面白かったが、中世の歴史や宗教のこと、またこの映画の作られた時代のチェコとその後のチェコの歴史を知っていればさらに充実したことと思う。カメラが登場人物の目となったかのように視線を受けたり走ったりするのも面白かった。
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