風ノ助

マルケータ・ラザロヴァーの風ノ助のレビュー・感想・評価

マルケータ・ラザロヴァー(1967年製作の映画)
4.0
王の抵抗勢力の領主の騎士団、そこから横取りしようとする別の領主、騎士団に王国側の若者が捉えられたため反撃する国王軍
王国と領主間の略奪と諍い、それに絡む息子、娘たちの関係性と前後する時系列

説明が少なく、時代の知識も察する能力もないので前半しばらくはついていけてませんでした
でも映像に不思議な魅力があって惹きつけられる

略奪、襲撃シーンは泥臭く、風景や土着の信仰儀式は神秘的に、修道院と聖女たちは清らかに描かれている
美術と衣装にリアリティがあって出てくる動物たちもお利口でかわいかった

領主の娘マルケータは敵対する氏族の息子にレイプされるが次第に恋してしまう
この時代あるあるなのかもしれないけどつらい
修道女になるはずだったマルケータは何ひとつ落ち度がないのに親にも見捨てられ浸透し始めたばかりのキリスト教にも救われなかった
修道院に自分から決別を告げて歩き出すマルケータの姿は潔い

こんなにも暴力が蔓延する映画だけど、マルケータとアレクサンドラ、二人の女性は対立の犠牲になりながらも逞しく生き抜いていて気持ちよく見終えることができました
風ノ助

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