Narmy

Mommy/マミーのNarmyのレビュー・感想・評価

Mommy/マミー(2014年製作の映画)
4.4
久々涙がとまらなかった。。

施設を退所させられた息子“スティーヴ”と、事故にあっても微塵もへこたれないオトコマエな母親“ダイアン”との深い難しい母子愛のおはなし。
架空のカナダの法律問題に疑問を投げかける形になっている。

この母子と、向かいの家の吃音症を患い休職している元教師の女性“カイラ”との交流が始まるが。。。

始まりからやられた。
画面より小さいフレームに物凄い窮屈感と閉塞感を感じる。
より伝えたいものを強調しているのか。。
それとも抑圧されているということなのか。。
そして四角四面の世の中に抗いたい気持ちになる。。

そこからのボードで道路を走るシーン。
あの一瞬、世界が広がり、そして視覚的にも広がる。
物凄い自由の表現!!!!
流れてる音楽も歌詞もスティーブの内なる声の叫びに同調する。

やることやること斬新で、色彩の綺麗さや枠を気にしてないような撮り方も毎回期待を超える。
ストーリーも幸福と地獄とが絶妙。
亡き父親やカイラ家族などの与える意味も深い。
白黒画像も面白いし、ところどころにかかるぼかしは希望を抱いているときなのか。。叶わない夢ということなのか。。

グザヴィエ・ドランは人の心の中を視覚的に表すことがとても上手い。
セリフも多いし、ストーリーも深い、音楽も最高なのに印象は映像が強い。
『百聞は一見に如かず』のとおり、分かりえないはずの人物の心と一体化したような気持ちになれてしまう。
だから毎回彼の作品を観た後は、知らないうちに主人公達と同じように楽しくなり、苦しくなり、幸福になり、心が重たくなる。。
今回は母親だったら誰しもが夢みる希望、そして現実。。なだけになおさら。。

とても大好きな作品だけど、観るには休息が必要。ドランの他の作品も観たくなるけどやっぱりしばらくは観れそうにない。。
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