青いむーみん

Mommy/マミーの青いむーみんのネタバレレビュー・内容・結末

Mommy/マミー(2014年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

グザヴィエ・ドラン。やっぱりこの人の音楽、映像は最高だ。
wonderwallのシーンはいつまでも記憶に焼き付き続けるだろう。物語はパラレルワールドのカナダが舞台だ。複数の障害を抱えた息子とその母親。愛するがゆえに傷つけてしまう辛さが色濃く描かれている。辛いことはたくさんあるけど、楽しいこともある。でもやっぱり現実は厳しい。やはり笑顔ですっきり帰れるようなものではなかった。

他のレヴューでも沢山書かれているが1:1と16:9の使い方が特徴の映画で、ほとんど1:1だから16:9に押し開いていく瞬間の開放感はグッと来るものがある。もちろんスティーヴの精神状況を反映しているのでシーンも音楽で言うと一回目のサビみたいなところだから余計に高揚する上に曲はwonderwall。いいね!ボタン連発シーンだ。

最後走りだすシーンは「過去はクソ」「未来をわしづかめ」という亡き父の言葉を思い出した。あと「私達には愛しかないじゃない」なんて素晴らしい言葉。
施設に預けるというのはその愛がなくなったということか?それともそれも愛の一つの形か?しかしそれは一方的なのでは?そういうのはあの世界の新法でなくても、この世界でも議論されるところだろう。
しかし、人が壊れ始める前に周りが許さないと取り返しがつかなくなるよこれは。もうダメってラインが親子であってもとても低くにはあるはずで、子が壊れている上に親まで壊れたら結局第三者介入で二人で世話になるだけ。と個人的意見。