Yukiko

禁じられた歌声のYukikoのレビュー・感想・評価

禁じられた歌声(2014年製作の映画)
4.0
2018年12月28日
『禁じられた歌声』 2014年フランス・マリ制作
監督、アブデラマン・シサコ。

アフリカのマリ共和国。ティンブクトゥからほど近い街。
父キダン、母のサティマ、娘トヤの家族3人と、牛飼いの孤児イサン
が共に暮らしていた。

しかし、街はイスラム過激派のジハーディスト(聖戦戦士)が占拠。
歌、音楽は駄目、頭や顔を布で覆う、手袋をする、用のない外出禁止、
家の前に立つな、と次々に禁止をする。
結婚も勝手に決める。
歌を歌った女性はむち打ちの刑。
そのような恐怖政治の最中、キダンは牛を殺した漁師と話し合いに
行ったつもりが、キダンが持っていた銃が暴発し、漁師が死ぬ。
そして、キダンは裁かれる…


妻のサティマが、話し合いに行くのなら銃はいらないでしょ、と
言っていたのに。
それでも銃を布で覆って持っていったキダン。
キダンの軽率な行動が、取り返しの付かない家庭崩壊へと繋がる!

砂漠が美しい。
土と砂の町なんですね。
その土と砂で作ったような家の壁が立ち並ぶ。

キダンの自宅は植物が所々に植わっている砂漠の中のテント。

牛の放牧、ラクダの放牧、川で魚を取る網を仕掛ける漁師。
それらで生活をしている者達の生活は楽ではない。

過激派がイスラム教義を盾に、住民を次第に締め付けていく
様子がありありとよく分かる。

住民達の反抗、話し合いで解決しようとしても、過激派は
自分達の勝手気ままを変えない。
それらの様子を淡々と見せられる。

ラスト、トヤがお父さん、お母さんと砂漠を走る、走る…
悲しい。

Yukiko

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