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雪の轍のyoko45のレビュー・感想・評価

雪の轍(2014年製作の映画)
4.3
 カッパドキア、美しい。
 そして見ごたえのある会話劇、こういう会話ふだんしないし聞こえもしないから尚更。善意からか悪意なのか、とにかく相手の自尊心を傷つける。
 でも、あたりまえですが気持ちや物事は一面的ではないことにあらためて気づかされます。
 良心、尊重、援助、言うのは簡単だけど難しい…。寄付金のリストは作っても善意の明細は作れない。札束が燃え、ニハルが衝撃を受ける場面が印象的。

「登場人物」
○アイドゥン(ハルク・ビルギネル)
 初老の元舞台俳優。亡父から遺産を受け継ぎ、ホテルの経営をしながら物書きとして日々を過ごす。穏やかな性格だが、資産の管理など細かいことは部下に任し、自分勝手な面も。妹とは遠慮なく意見を交わし、若い妻の慈善活動が気になる。
○ニハル(メリサ・ソゼン)
 アイドゥンの妻、容姿端麗。子ども扱いしてくる上から目線の夫に辟易。心優しく慈善事業に取り組む。夫の妹に容赦なく意見をする面もある。
○ネジラ(デメット・アクバァ)
 アイドゥンの妹。アルコール依存症の夫と別れ、実家で暮らすが未練を残す。ソファーでくつろぎ、兄のコラムを批評するのが日課。新しい家政婦とニハルの目つきにうんざりしている。
○ヒダーエット
 アイドゥンの右腕部下、弁護士と共に資産の管理を行っている。
○イスマイル
 アイドゥンに家賃を払えない。以前は鉱山で働いたが、妻に付きまとう連中を刺し服役。出所後は仕事がなく、家の立ち退きを迫られる。気は短いがプライドはある。
○ハムディ
 イスマイルの弟で導師。服役出所した兄とその一家を支える。人当たりが良く丁寧、礼儀をわきまえている。
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