takanoひねもすのたり

テロ、ライブのtakanoひねもすのたりのレビュー・感想・評価

テロ、ライブ(2013年製作の映画)
3.3
不祥事でTVキャスターからラジオ局へ左遷されたヨンファ。
ラジオのオンエア中、リスナーから電話が入る。
「マポ大橋を爆破する、大統領に謝罪を要求する、金は21億7924万5000ウォン用意、安い賃金でぼろぼろにして使い捨てにした仲間への謝罪金だ」
そして、マポ大橋どーん崩落。
電話の相手は爆破の犯人……。
唯一、彼と会話が許されたヨンファはTVへ戻り実況することに。

ほぼ密室スリラーなのに飽きることない話の構成と展開がうまかった。
途中でデキる警察側の女性が介入して事態は好転するかと思うと、TVの前に現れた警察官長官?がテロリストを相手に下手ばかり打つわ、人心掌握の術を心得てないおバカ警察トップのハゲで事態が更に悪化。

政府と警察の威信と国民感情相殺に賄賂スキャンダルを全国ネットで暴露(利用)されて怒髪天のヨンファ。
TV局の上司も政府の人間も用無しとなったら切り捨てやがる……!
と我が事に降り掛かって理解する『使い捨て』されることの意味。

やがて再び爆発が起き、向いのビルが倒れてTV局のビルも崩壊寸前に。
その中でテロリストの正体を知ったヨンファはある決断を。

大統領の会見の薄ら寒いこと。
確かにテロリストに屈しないことは国のトップとして建前そうだろうと思うけど、社会の末端からこの自体を見たらさあ「何で一言謝るくらいできんのだ」とも思う。
喧嘩売ってるのも最初から大統領指名。
サシの対立ですがな。
大統領として謝罪しろや、てめーの無政策の犠牲者やぞ。巻込まれて失くなった人達も。

勝手に信頼され巻き添えくったヨンファはある意味でお気の毒だけど、最期はもう生き残っても賄賂で検挙されるし、好きな女は命を落とすし、犯人の言葉を聞いたら虚無る。

細かい部分や整合性とかは大雑把かな……と思うけど、作品が終盤に行くに比例して警察と政府disが煙幕になっていて観てる間は気にならないのもうまいなーと思った。