12/5@桜坂劇場
シルヴァン・ショメ監督は『イリュージョニスト』も好きだし、とても期待して観たのだけれども、個人的にはちょっとよくなかった。
主人公が無意識に押し込めてきた精神的な抑圧を、ハーブにより蘇らせることで過去の呪縛から解き放たれる。そこには当然痛みを伴う。けれども、それこそが新しい人生の始まりなのだ。
そういった、非常に大事なテーマを持っているのはわかるし、また、描き方によっては陰惨なトーンになりそうなところをポップな小道具で中和しているのもわかる。
けれども、どうもこの「精神分析」を前面に出していると、ちょっと構えてしまって、物語に入り込めない部分が出てきた、というのが正直なところです。