れれれざうるす

めぐり逢わせのお弁当のれれれざうるすのレビュー・感想・評価

めぐり逢わせのお弁当(2013年製作の映画)
4.0
まさかこんな気持ちにさせられるとは!トントン拍子に物事が進むハッピーだらけの映画と思ってたけど、案外静かにジンワリ展開していき、もどかしさとモノ切なさが残る佳作でした。
600万分の1の確率で起きる「お弁当の誤配」
そもそもお弁当をお昼までに職場に配送することに驚きだけど、実は盛んなのは大都市だけです。ムンバイでしか起こり得ない奇跡の物語。
そんな大都市の話なのに、若くない2人がお弁当を通して文通というアナログなやりとりが素敵で、例え些細な内容でも顔をほころばす姿にこちらも顔が緩まる。そして「会えない」と思った理由が滑稽で妙に現実的なところに胸が苦しくなる…。

部下の行動が興味深い。自分のミスを「先輩の教育不足だ!」と言い「ところでご飯食べに家来ない?」なんて不躾な申し出は日本ではありえない(笑)この俳優さんはボリウッドの名脇役で、私が観た「New York」「Bombay Talkies」でも無くてはならない脇役を好演してた。
サージャンの歌のくだりは本当にイイ!ちなみにあの曲はサルマン・カーンとサンジャイ・ダットの暑苦しそうな三角関係ラブストーリーでの曲。

歌も踊りもないボリウッドは珍しい…と書いてる人が多いけど、登場人物の心情を補足する劇中歌がないって意味では確かに珍しいかもしれない。でも歌も踊りもないインド映画自体はたくさんあるのでもっといろんなインド映画を観てほしいなーと心の底の底の底から思います!!!