たいてぃー

虐殺器官のたいてぃーのレビュー・感想・評価

虐殺器官(2015年製作の映画)
3.3
とにかく、難しい言葉がよく出てくる。言語学や軍事に関する専門用語が多い。この言葉の意味何だったっけ?と考えている内に次のセリフやシーンになっちゃう。
さすがにファムファタールはわかった。filmarksのレビューでよく出てくるんで。
この作品は、本屋で原作本を見かけたって程度で、原作者の伊藤計劃も知らず、映画化された前2作も観ていない。このタイトルとR15指定が気になっての鑑賞。当然ながら、R15指定はエッチなシーンがあるって事じゃない。タイトルにあるように残虐なシーンが出てくる。でも、目を背けるって程ではない。このあたりはソフトな描写を意識しているのか。
ストーリーは、とても面白く、独特な世界観もある。中でも、クラヴィスとジョン・ポールの出会い、再会のシーンがいい。「文法」やら「マスキング」とかのコアな言葉が出てきて難しいのだが、二人の駆け引き、腹の探りあいが、ハラハラする。でもファムファタールとも言える、ルツィアが絡んだ恋愛模様が、単調なのが惜しい。
原作は、10年前に発表されたものだが、現状でも十分起こり得るって話で、怖さを感じた。この作家の先見性、着想力は目を見張るものがある。
もっと、理解を深めるために、原作を読まんといかん、のかなあ。