味噌のカツオ

アイアムアヒーローの味噌のカツオのネタバレレビュー・内容・結末

アイアムアヒーロー(2015年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

日本でもいくつか作られているゾンビモノですが、この「アイアムアヒーロー」は海外の映画祭でいくつも受賞をしてるんだとか。
その割には イマイチ宣伝されていないないなぁ。やっぱテレビ局が製作に絡んでいないとアレでしょうか(苦笑)

コミックが原作という事なんですな。読んでないので そこんところは知らんけど。
でも 事が起こって、徐々にえらいことになっていってる~という感じはよく出てました。
いきなり目の前に人が落ちてきたり、車にはね飛ばされたり。

タクシーに乗って高速道路を疾走。走行中の車から落ちそうで落ちない。さらにはバンバン激突で大クラッシュ!!
スゲー!!

正直 日本の映画でここまでのカーアクションはなかったですね。
おそらくこのシーンも海外でロケをやっているんでしょう。アウトレットでのロケも含めて、日本ではこんな迫力のある絵は撮れないよね。

それ以外にもゾンビモノには付きものの血しぶき飛び散る映像もなかなかのデキ。終盤、おびただしい数のゾンビが横たわり、全てが血まみれになっている情景も、よくぞここまで作り込んだなと。
見る側も グロい映像にそこそこ耐性がないと、結構キツイんじゃないかな。
それぐらいスゲー!!

とまぁとにかく映像は非常によくできておりますが。
その反面、所々で雑な描写がチョイチョイとインサート。そして最後まで見終わるとストーリー性の弱さとか演出の甘さというか。
それが気になってしまいました。

英雄のケータイが飛んでいき、比呂美のスマホは意味ありげに電池切れ。だからといって本筋にはあまり影響なかったり。
そんな比呂美が英雄と親しげになる理由が見い出せなかったり。

かと思えば 比呂美が半分ZQN化。しかもメチャすごいパワーで英雄を助けます。だけど それ以降は寝てるか座ってるだけで。
もしかしたらギリギリのところで 再びあのパワーが?あるいは発症して襲ってくる?
いつ、いつ・・・って 無いんか~い!

もうちょっとトランプのジョーカー的役どころだと思ってたけど、結果 座ってるだけやった。じゃあ ほぼほぼいなくても成立するやん。あの娘。
なんだったんだ?

元陸上選手のZQNが走り高跳びで屋上まで来るのは「やっぱりか」と思ったけども。
ZQNって頭が破裂したら死ぬ(?)んでしょ。だったら あんなに頭を陥没させるのは変じゃね。
頭から落下するという“おもしろシーン”を入れたいがために あんなことさせてるんだと思うけど、あんだけ頭打ったら割れてるよね。

終盤、絶体絶命という状況下で 英雄は銃を撃ち続けます。ZQNを一匹ずつ撃ちます。撃ちます。撃ちます。
これが結構長い。しかもバリエーションもなく、ただひたすら撃つだけ。その先が無い。
んで最後、弾がなくなり、バーンってやるんだけど。「そんだけか!」と。
もうちょっとヒヤヒヤさせるタメとか煽りとかできなかったのか。

がんばったよ。がんばったんだけどね。
それで これまでイケてなかった英雄が、真の意味でヒーローになった…と言われても、どうも腑に落ちない。
映画的な盛り上がりとか、変化とか、成長とかが ほとんど感じられないかな。

細かいツッコミどころ、他にもあるにはありますが。そういう隙を作らずに、ストーリーのドラマ性をもうちょっと立ててあったらなぁ。
とにかくカーアクションやグロ描写が見応えあっただけに、あまりにも惜しいです。
味噌のカツオ

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