わたP

味園ユニバースのわたPのレビュー・感想・評価

味園ユニバース(2015年製作の映画)
2.0
まず初めにジャニーズパワーによってクソのような典型的なダメ邦画に成り下がっていなかった事だけ安心した。
一見さん(とか思っちゃう心の狭さをご理解ください)は充分満足いく出来ではあると思う。

歌唱力だけを残して記憶喪失になった男が、実在のコミックバンド「赤犬」のメンバーとなり、バンドのマネージャーであるカスミと共に生活をすることになるというストーリー
主人公役の渋谷すばるの歌唱力は本当にインパクトがあって、このキャラクターにきちんと説得力があった。
彼がカラオケで練習するところなんて、めちゃくちゃカラオケ行きたくなった。一緒に見終えたみんなで行きたい!そしてみんなで「はぁのころは!! ふったりとも!!」ってやりたい!
と序盤の主人公が歌に目覚めるシーンまでは本当に最高。

僕はマイベスト邦画のひとつが今作の山下敦弘監督の「松ケ根乱射事件」なのだけど、はっきり言って、だんだんと物語が進むにしたがって、山下映画中最低では無いかと感じ始めた。

1番の理由が、人物の心情の吐露
冒頭は各キャラがまだ心を開いていなかったから気にならなかったけど、他の山下映画だったら絶対言わないような、超寒いセリフを連発する。ヒロイン役の二階堂ふみの口癖が「しょーもな」なのだけど、それをいいと思ってることがしょーもないわ。あの指で表すとことかも、寒いってほんと。あとポチ男って名前も一周回っておかしいみたいなことだろうけど、全然しょーもない。
画は山下映画なのに、喋ってることが全然違う!そんなこと言わない!
脚本は山下映画では初めての方で、フィルモグラフィーを見ると、まあ僕は見ないかなあ。というものばかりで、お前か。お前のせいか。と思ってしまった。

そして肝心のラストシーン。

口パク..
僕はアイドルの口パクにうるさく言うことはナンセンスだと思ってるしアテレコも映画の手法のひとつだから場合によっては必要だと思うけど、このラストシーンが口パクは絶対ダメでしょ。今まですばるくん凄いなあうまいなあって思ってたのが台無しだよ。
あそこはCDみたいなうまさよりも、彼のパワーを見たかったのに。
口パクであることに言及するオチでもあるのかと思ったらそうでもないし。
アイドルだからって色眼鏡で見ることは嫌だったけど、こういうのを見せられると結局渋谷すばるを売りたいだけじゃんって思えてくる
細かい演出のとこを言えばもっと出てきそう。最後の方のティシュのやつとか、裏返さなくていいよ!そこまですればわかるよ!そういうのもよりわかりやすくしてくださいねーって偉い人に、偉いカタカナの会社の人とかに言われたんじゃないかと勘ぐってしまう。

と、思い返したら腹立ってきた。
何が1番腹立ったって、いつもガラガラな映画館が、今日はありえないくらい混んでて、イケてるカップルがやたらフードコーナーに並んでてなにかなあと思ったら、テラスハウスだよ!は?
テラスハウスかジャニーズじゃないと客呼べない日本映画ってなんだよ。は?

だから最初3点くらい付けてたけど、もうちょっと下げます

勢いで書いてしまって文体がめちゃめちゃになって、関係ないテラスハウスまで貶してしまったけど、本当にトータルで見れば充分いい映画だと思います。個人的な思い入れで腹が立っているだけです。
口パクだと貶したけどそれでも渋谷すばるは改めて凄いと思う。今まで女性アイドルを上手く描くのに長けてた山下映画だったけど、男性もきちんと魅力的に描いています。
それから天竺鼠の川原がとても良かった。彼の句読点を打たないような独特のしゃべり方が気味の悪さを増していたし、松ヶ根しかりリアリズムの宿しかり苦役列車しかりああいう気味の悪い人間が出てくるのが山下映画の好きな所のひとつであるので嬉しかった。
もう一つ最後にクレジット見て驚いたのはあのお父さんの声が康すおんだったこと、あの人あんな歌うまいんだと関心した。
あとあと山下さんはこの前に超能力研究部の3人で、アイドル事務所の人との対決というのをフェイクドキュメンタリーでやってるのだけど、あの事務所の感じって満更でも無いのかも。と思った。


それからこれは完全に言わなくてもいいことなんだけど、ちょっと今回は言わなくてもいい事を沢山言い過ぎたのでついでに言いますが
最後の方でふみちゃんが履いてるオニツカタイガーとお揃いで映画を見てました。以上。
あとでまとめるかも、追記するかも。
とりあえず車でひとりカラオケしながら帰ろうと思います
わたP

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