深谷シネマでの初回を見に行ったら、監督さんの舞台挨挨拶まで見れてしまいました。
前評判で素晴らしいことは既に知っていましたが、それを踏まえた上でも素晴らしかったー!です。
誰もが驚く安藤サクラさんの身体、
はじまりにはメタボ体型であった身体を、ボクシングに取り組み始めてから本当に締めてフットワークもかるくなり、誰が見てもボクサーになっていく身体的な変化が、まず衝撃的。
物語を通じて、二回ボクシングの試合シーンがあるのですが、どちらもワンサイド。
序盤では主人公一子が恋する狩野が惨めにもクリンチを繰り返しながら、卑怯にさえ見える負け方を。
終盤にはボクシングを続けて心身ともに成長した一子が遂にリングにあがり、しかし一方的に攻められた末に呆気なく負けてしまいます。
僕は物語を通して、一子に強く強く感情移入して、だからこそ狩野をどうしょうもないとんでもないロクデナシと感じていたのですが、
一子が負けて、狩野の前で泣き叫ぶときに、あんなに卑怯に見えた彼の中にも一子とおんなじ鬱屈と悔しさが渦巻いていたことがようやく分かりました。
と、いってもロクデナシには変わり無いのでふたりの未来は明るくない。
それでも、待ってるひとがいるのは悪くない。
もちろん、声をあげて笑えるところも沢山あって(監督さんいわくコメディとのこと)、硬軟とりまぜた言わずもがなの傑作!です。