明石です

ベネディクト・カンバーバッチ ホーキングの明石ですのレビュー・感想・評価

4.0
無名時代のベネディクト・カンバーバッチがスティーブン・ホーキングを演じたBBCのTV映画。全身の筋肉が少しずつ動かなくなるという進行性の不治の病と闘いながら、恋をしたり宇宙の始まりを解明したり、アインシュタインの誤りを正したりするお話。『博士と彼女のセオリー』と同じテーマですが、よりドキュメンタリータッチに仕上がっている。最近の映画なのに60年代っぽい質感で撮られてるのがとてもよい。

カンバーバッチを初めて観たのが『イミテーションゲーム』での天才数学者アラン・チューリング役だったので、個人的には彼のこういう天才の役は、ジグソーパズルがかちりとはまるみたいに、これこれ!という感覚で見れる。しかし研究の進行に並行して体が動かなくなっていく運命の悪戯に翻弄されながらも、宇宙の始まりという壮大な研究を成し遂げたホーキング博士には改めて敬意を抱かされる。彼の著作も読もう。

それから、方程式を発見し仲間とともに狂喜するシーンでのカンバーバッチの我が事のように嬉しそうな演技には鳥肌がたった。私的には、ホーキング博士が成し遂げたことの偉大さも、カンバーバッチの魅力もどちらもぎゅっと凝縮された本作を『博士と彼女のセオリー』より強く推したい。「アインシュタインは正しかった!」なんて言える人生、生きてみたいものです。

——好きな台詞
「他人の批判に才能を使うな。自分の研究に専念しろ。独創的になれ」

「化学は忍耐だ。風呂場でユーリカ!という具合にはそうそういかない」
明石です

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