ま

ジャングル・ブックのまのネタバレレビュー・内容・結末

ジャングル・ブック(2015年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

兼ねてからワクワクしていたジャングルブックを鑑賞!
ただただジョンファブローナイス。
そもそも予告見た時は監督だって事全然気づかなくて。
でも何だか凄く惹きつけられる作品だな、何でだろうって蓋を開けてみればやっぱりかという印象。
なんかこう凄い勢いある壮大な画面の後ろに流れるバックミュージックが軽めでポップな口笛的なやつだと凄くぐっとくる。

確かに100点では無いけれど。
特に最後追い込まれて取ったモーグリの行動。やはりある程度ジャングルに被害を与えてしまったって事は事実だし、軽くすまされるものかとも思ったけれども、でもそんな事全然気にならなくなるくらい本作のテーマに感動した。

歪な捨て子のモーグリはやることなすこと皆に「ズル」と言われる。
この「ズル」って言葉のチョイスが良い。
ジャングルの掟は古く堅く、守れば繁栄破れば死で、狼達は常にこれを心に留め群れの絆第一で日々を過ごしている。
愛情と友情はたっぷりだが常に同じ動物として、狼としての枠組みから逸れるな外れるなと型に押し込められて育ってきた。
モーグリ本人も最初は掟に従い、彼らの言葉通り立派な狼になろうと努力する、が、上手く行くわけもなく。
沈んでいる所に止めの一発、カーンの逆襲。
決定的にお前は俺達とは違うという現実を突きつけられ、故郷を追われる。
人間の村に戻される道すがらバギーラに説得されるも「だって僕人間の事良く知らないし...」とごねるモーグリ。
原作のディズニーアニメよりも数段どこにも所属できないモーグリの寄る辺無さが浮き彫りになっている気がした。
しかし嫌が応にもカーンの逆襲は迫るわけで。
進退窮まる中、徐々に追いつめられたモーグリが出会うのは色気むんむんのスカヨハ...も、そうだけど、それはまあただのご褒美で...何にも縛られないアウトローな怠け者バルー。
今まであった誰よりも自由で誰よりも人間くさい熊。
会って間もなくの彼が初めて人間としてのモーグリの技術、力量、存在を肯定してくれる。
し、なんなら悪戯友達的なノリで一緒に付き合ってくれる。
誰よりも対等に接してくれる。
厳格な群れの長アキーラよりも数段悪友というかお父さんに近い様な存在とて彼の前に現れる。
背中で語り、また認めてくれる懐の広さ。
これによりモーグリは初めて思う存分、自分のなすがままにジャングルの自然を利用し縦横に駆け回る。
そこに現れたおかん、バギーラの「いけません!!!」一喝(笑)
「もーあんたはいつもこの子に変な事ばっかり教えて!!!もー!!!」
的な。にじみ出るおかん臭。
縮みあがる恐妻家バルー。
わ、分かったよぉごめんよぉ的な。
そんなそれぞれモーグリの心配をするおとんおかんを余所に当のモーグリはというと。
夜明け前に洞穴を抜け出したかと思うと父母の前で初めて自分の持っている力で有る事をなしとげる。
このシーンがもう本当に良かった...。
バックに流れる音楽も最高...。
言葉無しに「モーグリ、すなわち人間が本来持つアイデンティティー」を古く凝り固まったジャングルの象徴バギーラにガツンと見せつける。
そして底抜けな明るさ。利他の精神。
へこたれず知恵と勇気でぶち当たれば何とかなるんだ!って事をさらっと見せつけてくれる。
朝日を背にいやいや大した事じゃないとヒラヒラ手をふるモーグリの男前っぷり(笑)
やっぱりファブローのこういうとこ良い。そしてこれがラストに効いて来る。
心動かされたバギーラが今回の旅を通して、一人のジャングルに生きる人間と言う種として、再度見直したモーグリ本人に向かって言う言葉がもう。
てかその前の徐々に仲間が集まってきてモーグリを囲むシーン。
ああいうロードオブザリング的な鼓舞シーンってもう無条件で血がたぎる。
てか最後の決戦なかなかホビット1のラストっぽい。
木とか火とか。
いやー満足満足ってなった後も最高の感動と疾走感が待ち受けている。
ここでまた最初と同じあのシーンを使うかのか。
でも見方も意味合いも全然変わっていて。
やっぱりジョンファブロー上手い...。
上手いってか、信頼できる監督だなってもうただただ感動。
人柄か、人柄にやられているのか。
愛されぷにぽちゃぼでーも含め。
原作アニメでは大顰蹙だったらフラフラ女の子に着いてっちゃうシーンも上手いこと避けたなという感じ(笑)
英断だと思う。

最後の最後までエンターテイメントとくすぐり盛りだくさん。
あのED、私最近見た中でもベスト級に好きだな。
特に亀。
亀ないす。
その大きさでそこ通ろうとするとまあそうなるよね(笑)って所に凄くぐっときた。
あと猿。
生きててよかったー(笑)
小猿が一生懸命再建している側から崩していく大猿の図(笑)
てかキング凄い迫力だったわ...。
あんなんに来られたらもう無理だわ。
熊よりデカい猿って。
キングの歌ももうバッチリナイス。
本作ちゃと皆が歌ってくれたのが良かった!
その前のお猿さん大演説の時から徐々にノリノリのバックミュージックが流れて来てお?来るか?これは来るのか?ってそわそわしてた所にいい流れとリズムでウービードゥー。
あいわなびーらいくゆーうぅー。
ビルマーレイの歌もナイス。
でもっやはり特筆すべきはEDのあの方の歌。
やっぱあったんだ(笑)って感動が半端ない。どっえろいっっ!!!
いやぁ、満足...。
疲れ全部吹っ飛んだわ。
ありがとう監督。
生きる活力溢れてます。

あ、あとアキーラそんなボロ雑巾みたいな!
シアカーンはナイス低音ヴォイス!
でも図太い表情は目減り。
そこは原作アニメのが良かったな。
動物の描き込みも緻密だったし何よりちゃんと種類がいたのが良かった!
こないだ見た半裸男とゴリラの裸押し合い祭り...ええっとターザンリボーンでしたっけ...?
あれよりも断然こっちの方が好き。
動物とジャングル要素も、一人の人間の成長譚としてもこちらの方が数倍濃厚だった。

最終的に何が言いたかったかっていうと。
このまま順当に成長したモーグリがアラジン似の細マッチョイケメンに育つ日が楽しみですね。
ま