異国の地で765日も拘束された女性の実話。
家計を助けたい、娘に好きなものを買ってあげたい、そんな想いから主婦ジョンヨン（チョン・ドヨン）は金の原石を運ぶ仕事を引き受けてフランスへ向いますが、空港で逮捕されます。運んでいた荷物、実は麻薬。麻薬とは知らなくても犯罪。
その後、パリの刑務所に収監され、韓国にいる夫と連絡が取れたものの、今度はカリブ海に浮かぶ島、マルティニークの刑務所に送られてしまいます。
肝心の大使館はジョンヨンや夫の訴えにほとんど耳を貸しません。さらに荷物が麻薬であることを知らなかったという韓国での証言が記された書類も不手際でフランス当局に渡らないため裁判がなかなか開かれず拘束期間が延びるばかり。
言葉が通じない異国、不衛生な刑務所、孤立無援、家族の元へ帰りたいのに現状から抜け出せない不安と苛立ち、カリブ海が明るく綺麗な景色でも絶望の色は濃くなっていきます。
ジョンヨンを演じるチョン・ドヨンが素晴らしいです。とくに最後、後悔、夫と娘への想い、これまで言葉が通じず誰にも理解してもらえなかった苦しみが一つまた一つと心の奥から湧きでるような。観ているほうも涙が溢れました。
