すず

シークレット・ミッションのすずのレビュー・感想・評価

シークレット・ミッション(2013年製作の映画)
4.2
「普通に生きたい」って、贅沢な夢なのかな。

この映画ってコメディだったの?って気分で観てたら、あれ?この映画コメディじゃなかったの?って気持ちになる。
前半と後半でガラッと雰囲気変わりすぎてびっくりする。
何度観ても、気持ちの切り替えが難しい。

とにかくキム・スヒョンが素晴らしい!
彼が笑えば楽しいし、彼が泣けば悲しくて苦しい。
画面の中にぐっと引き込んでくれる、素晴らしい俳優さん!

韓国の貧困街でバカのふりをしながら住民の行動を監視するドング。
キム・スヒョン、ここまでやるのか…!ってくらい本気でバカ!
前半はバカなドングが可愛らしい!
わざと鼻水垂らしたり階段から落ちたりしてるのに、緑のジャージの下はマッチョっていうギャップ\(◡̈)/
工作員として送り込まれたものの、なかなか任務命令が下されない。
そうこうしているうちに、韓国の暮らしに馴染んでいく。
そんなほのぼのした雰囲気の中、突然下される任務命令。

幼い頃から過酷な環境で生きてきた彼らにとって、韓国で過ごした日々はとても幸せな時間だった。
前半の明るさが、後半の絶望感を際立たせる。
ずっと敵だと教え込まれていた韓国の人々の優しさに触れたリュファン。
少ない給料で散々こき使ってきた居候先のおばさんが、実は彼の為にコツコツお金を貯めていたこと。
時が経つにつれて変わっていく通帳の名義。
それを見て泣き崩れる、満身創痍のリュファン。
こんなに辛くて悲しいストーリーだなんて思いもしてないから、不意を突かれて号泣(´;ω;`)
とにかく辛すぎて、彼らの置かれた状況が残酷すぎて涙が止まらない。

壮絶な戦いの後に流れる、韓国で過ごしていた時の何気ない会話の風景。
彼らが夢見ているものは、私達にとって当たり前のものだった。
同じ人間なのに、何でこうも違うのかな。
やり場のない怒りと悲しみが沸々と湧いてくる。

「お母さん、元気でいて。」
この一言で涙腺が壊れた(´;ω;`)
すず

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