さすらいの旅人

エクソダス:神と王のさすらいの旅人のレビュー・感想・評価

エクソダス:神と王(2014年製作の映画)
3.2
旧約聖書のモーゼの半生を描くスペクタル巨編。WOWOWシネマ過去録画視聴。

「エイリアン」の名匠リドリー・スコット作品として期待して観た。
前知識なしに観たが、何処か観たことのあるストーリーと思ったら、名作「十戒」と同じ旧約聖書の出エジプト記と分かった。

最新のCG技術を駆使し、現代風な味付けをしている。しかし、何かが物足らない。見ているだけならスペクタルシーンが多く楽しめるが、要するに登場人物の描写に魅力がないのだ。かなり人間臭い感じて、映画の規模に比べて存在感が弱いと感じた。

また、神の力の描き方が地味な感じで、強大な奇跡等が目に見える形で出てこなかった。有名な海を渡るシーンも神と言うより自然の摂理として描いていた。そして、ナイル川に起こる両性類等の災いも過剰な表現で個人的には引いてしまった。

本作は残念ながら「十戒」を超える感動作にはなり得なかった。主演のクリスチャン・ベールもチャールトン・ヘストンを上回る演技は出来なかった。
ただ、CG技術の進歩は特に群衆シーンを中心にスペクタル映画の今後の展開に希望をもたらした。