RyomaTakamura

沈黙ーサイレンスーのRyomaTakamuraのレビュー・感想・評価

沈黙ーサイレンスー(2015年製作の映画)
5.0
とてもいい意味でマーティン・スコセッシ監督らしくない作品でした。

彼の作品はどこか非現実的で誇張気味、音楽をたくさん使った華やかなイメージがありましたが、今作品は全体を通して題名通り静かでシリアスな雰囲気でした。

良かった点は数えきれませんが、まず始まって数分の”Silence”というタイトル表示だけで一気に心を持っていかれます。これは観てからのお楽しみですね。

そして、”踏み絵”とは何かを学べる。日本の”踏み絵”に関して誰もが学校で学びますが、それがこんなにもエグいものだったとは… 目を伏せたくなるような処刑シーンなど多々ありましたが、そこを変に隠さず誇張もせず程良く表現した監督、さすがとしか言いようがありません。

一番素晴らしいと思った点は、単にキリスト宣教師視点の布教映画でなく、日本の宗教観や国風も盛り込まれていたことです。宣教師視点だけで観ていくと確かに”かわいそう”だとか”昔の日本の偉い人たちは残酷だ”というよな意見で終わりそうですが、日本にも日本独自の言い分がある。 そこにもしっかりとスポットが当てられていて物凄く納得できました。

最後に、日本の役者さんたちはこんなにも優秀なんだなぁと感心することができました。監督によって彼らの技術を生かすも殺すもできる。

日本映画も頑張って欲しい。
RyomaTakamura

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