カンパッチー

沈黙ーサイレンスーのカンパッチーのレビュー・感想・評価

沈黙ーサイレンスー(2015年製作の映画)
3.9
キリストを弾圧したことにも幕府側もきちんと理由があると思いつつ、日本は取り入れたものを独自のものにするからこそ根付かないというのとはまた違うんですかね、解釈の違いでしょうか?

しかし、人を救うはずの宗教で人がどんどん弾圧、死んでいくというのも悲しいもんですね、日本での信仰の難しさや宗教が根付かない理由や背景を説明しているのは素晴らしく、少なくともこの映画ではカトリック側の視点とはいえ日本にもアメリカにもどちらにも肩入れしないでひとつの繰り返しては行けない歴史として見ることができました。

とても原作の重い雰囲気、スコセッシが遠藤周作の原作をきちんも理解しているのが感じられて、海外が描くなんちゃって時代劇ではなかったの素晴らしいです。
もう一度原作を読んでみようかと思えました、重い気持ちになるので気合いを入れないと読めませんが。

役者さんも全員素晴らしかった、キチジローはイメージと違い、顔が整いすぎていましたが、良かったです。
何度も裏切る弱い人間として描かれるキチジローが、いちばん神を信じることをやめていないというのはすごいですよね、信じる神は答えてくれずとも胸の中にいればいいのだということですね。