ヤズカシバド

SCUM/スカムのヤズカシバドのレビュー・感想・評価

SCUM/スカム(1979年製作の映画)
3.4
救いも希望も全くなくて、最初から最後までとても気が滅入る。心温まる友情物語もなければ、人として大きくなる成長記もない。そこにあるのは唯々自己顕示欲と支配欲だけ。抑圧に対する暴発、それに対する抑圧と永遠に終わることのない悪循環。というか状況はさらに悪化していく。子供たちの置かれてい状況は劣悪で、特に後から入ってきた子たちへの扱いは目を覆いたくなる。そういった意味で言うと、カーリンは一種の救世主的な立ち位置なのかもしれない。内容の割に物語が淡々と進んでいくので、より一層冷たい印象を受けた。良い映画だけど、人に進めようとは思わない。