ヤズカシバド

ヴェラ・ドレイクのヤズカシバドのレビュー・感想・評価

ヴェラ・ドレイク(2004年製作の映画)
3.5
人間の善性とは。ヴェラの行動が100パーセント正しいとは言えない。確かに代替案がない中で、彼女の行為が間違っていたと一概に否定することはできない。事実(仮に問題が起こっていたとしても)女性達はそれを通報することはなかった訳だし。しかし一方で処置自体は結構危険を伴うモノの様に見えたし、実際かなりリスキーなのかなと思う。黒人の女の子に処置をしている時に見せたヴェラの表情が印象的だった。もしかしたら彼女自身も葛藤しながら、自分を信じ込ませようとしていたのかもしれない。クソみたいな状況で、何とかできる事をしようともがいている人間がいる。そんな人たちを頭ごなしに否定することはできない。内容は結構重めだけど、登場人物が(数人を除いて)とても暖かいので、全体としては前向きというか優しく暖かい作品だった。イメルダ・スタウントンの顔が最高。