ヤズカシバド

プロミシング・ヤング・ウーマンのヤズカシバドのレビュー・感想・評価

3.4
絶妙に後味の悪い映画だった。全ての人間はどこか独善的で、客観的な「正義」を定義するのは相当難しい。個人的な判断基準で「しょうがない」を決めることは簡単なんだけど、それによって発生する「ひずみ」は圧倒的な暴力として予期できず戻ってく事がある。キャシーを正しいとは思わない。しかしじゃあその他のキャラクターに同情するかと言われれば、そうでもない。それは多分自分を傍観者として見ているからであって、実際にその状況に巻き込まれるとなれば考えも変わってくるだろうなと思う。その感覚を自分を正当化するためではなく、人を思いやる気持ちの根幹として使えると良いのかなと思った。ラストを含めて笑っちゃう部分は結構あったんだけど、色々と考えさせられる映画だった。


※備考※
本編とは直接関係ないんだけど、ニーナの容姿や暴力シーンが(多分敢えて)一回も出てこないのが面白いなと思った。