らんらん

肖像のらんらんのレビュー・感想・評価

肖像(1948年製作の映画)
4.0
木下恵介監督作品、黒澤明が脚本なところも注目か
出演者は井川邦子、三宅邦子、三浦光子ら
これが銀幕デビューの桂木洋子はチョイ役

【内容】
格安で売りに出されている家があって小沢栄太郎と藤原釜足が共同出費で購入、高く転売したいのですが
その家には画家の一家(菅井一郎ら)が住んでおり、ここままじゃ売れないので何とか出ていかせたいのですが上手くいきません
そこで困った小沢栄太郎はじゃじゃ馬の妾(井川邦子)と共に2階に住み込んで居づらくさせる作戦を実行するのですが
画家一家は井川邦子を小沢栄太郎の娘、お嬢さんだと勘違いしてしまい、そのように扱うので
井川邦子としてもビッチな振る舞いが出来ず大人しくお嬢様を演じる成り行きになってしまい、、、

【感想】
これも簡潔にまとめるの難しい系だなぁ
なんか似たようなの木下恵介であったと思う、悪いことしようとしてたけどいい人たちに当てられて改心みたいなしちゃうやつ(花咲く港でした)、それ系のお話だと思う

個人的には結構好き、いいお話だと思う
井川邦子が演じるの疲れちゃって飲んだくれてやさぐれるんだけど、それを諌める三宅邦子との絡みのシーンがとても良い
うまくまとめられないけど、ほんといいこと言うわーって響いちゃった、そりゃ泣き崩れるよ

そして井川邦子とビッチ仲間(三浦光子)との絡みもなかなか深くて良かった
お互いに強がっていても逃げているところがあって、やましいところがあって、虚しいところがあって、そんな現実を突きつけられるとお互い傷ついちゃって、2人して泣いちゃうの

どんな肖像だったのか最後まで見せないのもなかなか印象的、下手にテキトーな絵を見せちゃうより効果的だったと思う、見てる人が想像している絵の上をいくとは思えないもん、あえて出しても「ふーん、こんなもんか」ってなりそう

・出演者メモ
井川邦子、それっぽい役、ビッチ役を好演
なんか「暴力」って映画思い出しちゃって、それの人?って思ったんだけど違った(日高澄子だった)

三浦光子、この人もそれっぽい役、こんな役のイメージしかない(「白い野獣」のせいかしら)

その他出演者
画家一家は
菅井一郎、東山千栄子夫妻、長男安部徹(終盤戦争から帰還)、その妻三宅邦子、末っ子で桂木洋子、プラスその彼氏役で佐田啓二
桂木洋子はこれが映画デビュー作らしい、まだ松竹歌劇団在籍の頃、声や仕草、雰囲気がかわいらしい

出番少ないけど安倍徹がイメージにない役、なんか悪い奴に見えてしまうw
佐田啓二もびっくりするぐらい脇役、ストーリーには絡まない、でもイケメン
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