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肖像のkossのレビュー・感想・評価

肖像(1948年製作の映画)
3.5
木下恵介×黒澤明の豪華な組み合わせは、黒澤のヒューマニズムが勝ってしまう。画家の肖像画のモデルになることによって、自身の自堕落さに目覚め自立しようとする女。

木下らしさは、画家夫婦の頼りなさ、娘と恋人の無邪気さ。二階の窓からの見下ろしと見上げる人。足元、手元のショット、寝転ぶ女と下着姿。停電のダンスパーティ、息子夫婦の再会に部屋を明け渡す駅舎への待避。

女の肖像画は最後まで登場しないが、女が出る美術館の出口の光と影のフレームが新しい人生に旅立つ女の絵になっている。
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