ナツミオ

チャイルド44 森に消えた子供たちのナツミオのレビュー・感想・評価

3.5
WOWOW on demand鑑賞

 “楽園に殺人はありません”

「このミステリーがすごい!」2009年版海外編の第1位に輝いたトム・ロブ・スミス
の話題のベストセラー小説を、トム・ハーディの主演で映画化した衝撃のサスペンスドラマ。

原作は未読だが、当時話題となって本屋に並んでいた記憶がある。

原題 『Child 44』

2015年米作品138分
監督 ダニエル・エスピノーサ
製作 リドリー・スコット マイケル・シェイファー グレッグ・シャピロ
原作 トム・ロブ・スミス
『チャイルド44』
脚本 リチャード・プライス
撮影 オリヴァー・ウッド
音楽 ヨン・エクストランド
出演 トム・ハーディ ゲイリー・オールドマン ノオミ・ラパス ジョエル・キナマン パディ・コンシダイン

(WOWOW番組内容より)
1953年、スターリン政権下のソ連で、臓器を摘出された子どもたちの変死体が次々と発見される。国家保安省のエリート捜査官レオ(ハーディ)は、あくまで事故死として事件を処理しようとする上司たちに異を唱えたのがあだとなって、愛妻のライーサ(ラパス)にあらぬスパイ容疑を掛けられたうえ、やがて地方の警察署に左遷されるはめに。その地でまたしても同様の手口による子どもの変死体が見つかり、レオはあらためて真相を突き止めようと決心するが……。

(WOWOW解説より)
1953年、スターリン独裁政権下のソ連で起きた謎の連続猟奇殺人事件。理想国家たるわが国に殺人など存在しないとして、早々に幕引きを図る国の方針に疑いを抱いた国家保安省のエリート捜査官が、さまざまな障害を乗り越えて真相の究明に奔走するさまをスリリングに描き、絶賛を浴びた原作小説を、「デンジャラス・ラン」のダニエル・エスピノーサ監督が映画化。
「マッドマックス 怒りのデス・ロード」「レヴェナント:蘇えりし者」のトム・ハーディが主役を務めるほか、ゲイリー・オールドマン、ノウミ・ラパスら、共演陣も豪華多彩。

スターリン独裁による社会主義国家の時代、少年を標的にしたシリアル・キラーを追う捜査官を描くサスペンス作品。
暗く、息の詰まりそうな閉塞感を感じる時代が重くのし掛かる。

キャスト含め全く予備知識無しで観たが、
製作はリドリー・スコットなんですネ♪♪
主人公レオ役にトム・ハーディ。
レオの奥さんライーサがずっと気になり、観終わってから、「ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女」の主人公リスベット・サランデル役のノオミ・ラパス‼️

他にも、ゲイリー・オールドマン やヴァンサン・カッセルも出演。


この時代の背景
・ホロモドール
 1932年〜1934年にかけてソ連国家に  
 より人為的に飢餓を起こした大量殺戮。
 当時1日当たり25,000人が亡くなり、
 330万人から数百万人ともされる
 餓死者・犠牲者を出した。
 レオの両親も犠牲となり孤児院へ。

 そこから脱出したレオは、ある軍人に保護され、”レオ“の名前を与えられる。赤軍兵士になった彼は、第二次世界大戦終盤、1945年のベルリン攻防戦で国会議事堂の上にソ連国旗を掲げ国民的英雄となる。
戦後は、ソ連国家保安庁(MGB)の職員となる。

・スターリン独裁の社会主義国家
国家に敵対する者、疑わしき者は、逮捕、尋問、そして自白の強要、そして粛清される。冤罪も相当あっただろう。

今のロシアにも共通点が…

・現在の舞台はスターリンが亡くなる同年の1953年。


スターリン時代の息苦しい時代はうまく描かれている。
後半のレオと敵対する元部下のワシーリー(ジョエル・キナマン)との死闘は、どちらもドロまみれでわかりにくい。

レオが左遷された田舎町ヴォウアルスクの人民警察署長ネステロフ将軍役ゲイリー・オールドマンは抑えた演技がハーディと対照的。

ヒリヒリする様な感覚は少なめだったが、キャスト含め楽しめた♪♪


余談だが、
 本作原作は未読だが、同じ年代を描いたサスペンス小説、グレン・ミードの『雪の狼』を連想した。スターリン暗殺を描いたもの。











【忘備録】ネタバレあり
(登場人物・キャスト)
・レオ・デミドフ Leo Demidov
- トム・ハーディ
ソ連国家保安庁(MGB)の職員。

・ネステロフ将軍 
General Mikhail Nesterov
- ゲイリー・オールドマン
ヴォウアルスクの人民警察署長。

・ライーサ・デミドワ Raisa Demidov
- ノオミ・ラパス
レオの妻で学校の教師。

・ワシーリー Vasili
- ジョエル・キナマン
レオの部下。

・ブロツキー Anatoly Brodsky
- ジェイソン・クラーク
獣医。

・クズミン少佐 Major Kuzmin
- ヴァンサン・カッセル
レオの上司で少佐。

・マレヴィッチ Vladimir Malevich
- パディ・コンシダイン
トラクター工場労働者。

・アレクセイ
- ファレス・ファレス
レオの部下で友人。

・イワン
- ニコライ・リー・カース
ライーサの同僚で国語教師。
反体制派であると言われている。

・グラチョフ少佐
- チャールズ・ダンス
クズミンの後任。レオの上司。
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