エリ

ヴィヴィアン・マイヤーを探してのエリのレビュー・感想・評価

3.5
本人に迫ったドキュメンタリー、では無く、
惹かれた人は故人だった、という所から「どんな人物だったのだろう?」と模索していくストーリー、というかドキュメンタリー。

ヴィヴィアン・マイヤーという故人。彼女が残した大量のフィルムや大量の私物。
「モノ」よりは「ガラクタ」に分類されるような物(例えばレシート)まで、大切に、そして大量に残されていた。

彼女の写真の独特さは、素人の自分の目にも「息をしているように見える」ほど、ハッとさせられる何かがある。

彼女が撮った何気ないひとつひとつは、彼女にとって芸術そのものなのだろうという誇りと強さを感じる。残された私物にも、その想いを感じる事が出来る。

彼女と共に、ひっそりと長い間眠っていたそれらの写真が、1人の手と「現代」という場所で見事に蘇り沢山の人の目にとまる。

インタビューされた、それぞれの人の中にある「彼女」。
大まかな部分を除けば、それぞれの人の中に、違う彼女が居る。

なんせ本人にインタビューした訳では無いので、こういう作りになるのは仕方ないのかな、と思えた。純粋だけ、というわけにはいかない。
(その他大人の事情、作り手の事情諸々)

赤の他人が、1人であの大量のフィルムや私物をどうにかしよう、彼女を知ってもらおうと始めてその先に出来たこの映画だと思うので(思いたいので)
「ん〜。(´・ω・`)」と思う部分もあるけどやっぱり仕方ないのかな〜という結論...

この、あともうちょっとだけ早ければ彼女に会えたのかもねって所がまた運命のイタズラすぎて「亡くなってから世に認められる才能とは...」と、マイ宇宙は空想で広がるのであった。

あのカメラならではの、撮る位置や撮られる人の表情など、メリットがすごく好きで興味が湧いた!

少し前の時代に、才能とセンスを持ち合わせ隠しながら生きていた彼女。

表にダダ漏れの「独特な世界観」を(間接的に)垣間見れて、

じゃあこの現代って、何がどれだけ出来ちゃうんだろう!?でも、その分才能とかわかんなくなっちゃうよなぁ、ありふれちゃって。個性ってなんだろうか??と、頭がちょっとパンクしそうになりつつ、

謎めいた彼女の、謎めいた人生の一部を少し知ることが出来たのは、やっぱり楽しかったです...!
(このDVDずーっと探しててやっと見つけたので余計カモネ)
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