RYUYA

野火のRYUYAのレビュー・感想・評価

野火(2014年製作の映画)
4.0
「塚本晋也が描く戦争」です。
唯一無二の才能も、時代を経て遂に完全体に。これ以上はもう無いでしょってくらいの塚本節。低予算マンセー。

コッポラの『ゴッドファーザー』を観たスコセッシが「こんなの本当のマフィアじゃない!」と言って『ミーン・ストリート』を撮ったように、
塚本晋也も『永遠の0』を観て「クソ野郎」と思って撮ったのでは?(違うけど)
ってくらいリアルな表現が溢れている。
塚本のオリジナリティが戦争の狂気を帯びて、エグさの極限に到達した。

『ザ・マスター』よりも『シン・レッド・ライン』よりも美しくて恐ろしい‘‘兵士と海”を、まさか日本映画が見せてくれるとは。

最大のテーマである‘‘食人(カニバリズム)”も、「もう勘弁して〜!」ってくらい容赦無く描いてる監督はエラい。
月夜の大虐殺パレードは、今年の邦画イチの名場面です。

軍人さんに敬礼。
RYUYA

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