一言感想……破壊は創造の第一歩?
始めに、この映画を観る全ての方に絶対に伝えておきたいのは「頭が冴えわたってる時に観た方がいい」ということです。
序盤は特にカット割りが多く、スラスラと次の場面へ進んでいくため、画面で何が起きてるか瞬時に判断しないと、置いていかれること請け合いです!
肝心の物語ですが、これは是非観て欲しいですね。観た人によって結構評価分かれると思います。
感想なんですが、何ていうんでしょうかね、コレ。
爽快でもあり、陰鬱でもあり「一体私はどんな気持ちでコレを観たらいいんだ!?」って気分でしたよ。
主人公は自分の気持ちを整理するため、身の回りのものをとにかく分解(っていうかほとんど破壊)していくんですが、コレが中々爽快なんですね!!
「うわー、何でもいいから何かぶっ壊してぇ!」みたいな気持ちって、誰でもふとした時にあると思うんですよ。
そういう破壊衝動みたいなものを、全く隠さず次々とあらゆるものをぶち壊していく主人公のサマは見ていて爽快の一言!!
で、気分爽快腹一杯で映画が終わるかというとそうは問屋が降ろさないワケで。
主人公はある人物にも言われますが「ズレてる」んですね。
善悪の基準よりも、自分の欲求を満たすことの方が優先順位が強くて、だから迷いなく主人公は行動する。
ここらへん、ナイトクローラーを思い出しましたよ。
爽快に感じる破壊のシーンにも、それを冷ややかに見つめる通行人や、親身に止めてくれる人を写すことで浮き彫りになるのは、主人公の異常性。
行動に爽快感を感じても、その行動が異常だとはっきり分かっているため、どこか陰鬱とした空気を感じます。
「次は何をぶっ壊してくれるんだろう!?」とワクワクすると同時に「そろそろ辞めとけよ……」みたいな気持ちが混在し合って、胸の奥がカオスいっぱいでしたよ。
そしてあのクライマックス!
ハッピーエンドってワケじゃないけど、壊れるとこまで壊れたから、後は……!!
みたいな感じでしたね。
うーん!これはパーソナルな映画だ!!
間違いなく好き嫌い別れるでしょうね!!
……ところで観た人に聴きたいんですが、あの時代遅れな車って結局何だったんですかね。