ひかる

シン・ゴジラのひかるのレビュー・感想・評価

シン・ゴジラ(2016年製作の映画)
4.2
一言感想……映画版、空想科学読本。

なんだコレ面白過ぎてビビりましたよ。
冒頭から速攻でゴジラ出現、政府の役人は会議、会議、また会議!君たち何回会議やってんだってぐらい会議!!こんな下らんことやってる場合かよって、長谷川博己の意見に完全同意です。

しかしこれが不思議と面白い!
おっさん達が所狭しと雁首揃えて喋りまくる訳ですが、基本早口&カットが多く、テンポよく(無駄)話が進んでいくので、退屈する暇が全くない!
「ソーシャル・ネットワーク」みたいな感じですね。

ゴジラのビジュアルも個人的に「あ、コイツが実はいい奴でしたとか、そんな展開ないわ。早々に処分せんとあかんわ」って一発で分かるレベルの危険生物って感じが溢れ出てグッド!

ゴジラ第一形態のお披露目で「CGがちゃっちゃいなぁ。邦画のVFXじゃこんなもんか」と感じるもつかの間、自衛隊VSゴジラのあまりにも容赦無い破壊描写には、絶望感でお腹いっぱい!!

しかもゴジラは摩訶不思議な身体構造により、休めばご飯食べなくても元気に活動できる、という追加情報で視聴者に絶望感のおかわり!!
もう食べきれないですよ?

そして最終決戦になってようやく気付く「日本VSゴジラ」の意味。
洋画だと大体「主人公とその愉快な仲間VS敵」って感じだけど、この映画はあくまで「国VS未知の敵」というスタンス。

閣僚が方々あらゆる場所を駆けずり回り、頭を下げ、人や情報を集め、会議を開き、作戦を実行する。主人公はあくまで日本という国そのもの。このプロセスがリアルで心震える!なんで人が頭を下げてるだけのシーンがこんなにカッコいいのか。

プロフェッショナルが重大な責任を負いつつ、仕事していくシーンのカッコ良さと言ったら、冒頭で「政府無能だなぁ」などと抱いた感想が「日本政府最高やん!」へと書きかわるほど。
手の平が高速で回転する!!

ぶっちゃけ言えば最後の作戦については、それまでのリアル路線から急に都合よく事が運びすぎな気がするんですが、バカバカしくて思わず爆笑した在来線爆弾が逆に好きなので問題無し!
ゴジラとの決着も、日本と原発の関係みたいでイヤ〜な感じが妙にリアル。決してお気楽なハッピーエンドではない。

「戦後は続くよ。どこまでも」→「日本はスクラップ&ビルドで立ち上がってきたんだ。今回も〜」のセリフも綺麗事じゃない希望を感じさせて大好き!

コレは観てよかった!
素晴らしい映画です!
ひかる

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