湯林檎

世界一キライなあなたにの湯林檎のネタバレレビュー・内容・結末

世界一キライなあなたに(2015年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます


全体的なストーリー展開は良かったと思うし、スコットランドを中心としたイギリスの風景は非常に美しかった。作風も綺麗で品のある感じで観ていて心地良かった。
フランス映画「最強のふたり」も事故で身体障害者となった男性(こっちはもっと年配の男性だけど)と介助者(介護士)の交流ということで似ている部分はあるけど主人公の性格が真逆である意味面白い。
「最強のふたり」のフィリップは事故で体が不自由になっても恋はしていたしクラシック音楽のコンサートにスカイダイビングも楽しんでいた(多分フィリップは元々インドア派なのかな?)。
一方今作の主人公ウィルは元々スポーツマンだったからか生きる希望を見出せずに常に"死"を意識している。同じ障害者でも事故前のライフスタイルが異なっているとその後の生活の影響も変わってくるのかな?
そう言った意味では"もし、自分が事故で体が不自由になってしまったらどうするか?"ということも考えさせられた。

※ここから先はネガティブな意見なので好きな人はスルーしてください





自分の考えとしてラブロマンスで最も重要なのはヒーロー(男性の主人公)とヒロインが両方とも魅力的なキャラクターであることだと思ってるのだけど、肝心のヒロインのルイーザが個人的に好きになれなかった。ウィルが黙っててくれと言っても喋っていたり、食欲がないというのに無理やり会員制のレストランで食事をしようとたのが頂けなかった(しかも受付の人に言った言葉があまりに下品だった)。
あ、1番許せなかったのは吹奏楽のことをオナラと言ったことだねw
正直こういうタイプの女子は苦手。
それと、7年も付き合っている彼氏のパトリックがいるのに彼にコソコソしてウィルとお出かけや旅行をしていて約束していたノルウェーのバカンスを蔑ろにしていたのが個人的には理解できなかった。脚本が悪いのかもしれないけどパトリックへの思いが薄まっていてウィルを愛している心境をもう少し早く描いて欲しかった。(確かにパトリックはスポーツばっかりやってて全体的なセンスも悪いんだけど…)

あと、スイスの安楽死団体ディグニタスが実名で出てきてちょっとびっくりした。こういう選択肢も考え方によってはアリなのかもしれないけど、障害を持つ人が身近にいる自分としては"上手く生きられない障害者は安楽死を選ぶべき"とも捉えられるラストは正直どうなのかなと思った。
正直言って「最強のふたり」の方が観ていて元気が出るし、身体障害者の方にもこちらの作品の方が共感できる人が多いと思う。
湯林檎

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