にょいりん

オン・ザ・ハイウェイ その夜、86分のにょいりんのレビュー・感想・評価

3.0
舞台は高速道路を走る車の中のみで、ハンディフォンでの主人公と通話相手との会話だけで物語が進むという特殊な設定の映画でしたが、あっという間の86分間でした。
父親への反発から誠実であれという信念を異常に持つ主人公が「浮気相手の出産」、「仕事上のビッグプロジェクト」、「家族との関係」、という3つの問題を同時進行で如何に解決して行くか、というのがこの映画の面白さだと思います。他人を信用せず他者への共感力を持たない主人公の振る舞いは、仕事上では爽快なまでにあらゆるトラブルを解決していきますが、家族との関係では上手くいきません。そんな中、半分狂気に足を踏み入れながら平静をなんとか保ちトラブルに対応する主人公の姿に、潔さとやけくそ気味になった時のドーパミンがどんどん出て来る感じがあって惹き付けられました。