Tully

ザ・マミー/呪われた砂漠の王女のTullyのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

2017年。「アレックス・カーツマン監督」 アメリカ軍に所属しながら発掘作業から出た遺物を横流ししている男が、エジプト王家の禁断の扉を開けてしまうという話。かつて死の神と契約を交わしたエジプトの王女は、囚われてミイラ化され封印されたが、この男を招き寄せることで、死の神による支配をもたらそうとする。ジキル博士とハイド氏まで出てきて 、「悪」 のテーマを追求しているのだが、王女の 「悪」 もハイド氏の 「悪」 も徹底的なものに欠けている。人間的なものが混じっているといえばいいのか。むしろ 「悪」 の化身とはいえ 「トム・クルーズ」 が不死身になることの方に映画史的な真実があるようだ。65歳でこのアクション。これほどの適役はあるまい。トムなら 「悪」 に染まっても安心だ。トムは殴られるとき、目を瞬かせて驚くということをよくやるのだが、この所そこから通常の瞳に回復するまでに時間がかかっているように感じる。瞬かせたまま、半ば白目のままで呆然としている時間が長い。まるで、この映画のなかで 「ミイラ化」 してしまう男たちのように。そういう意味でも現在の 「トム・クルーズ」 にミイラはぴったりの役柄だ。
Tully

Tully