kasmi

おんなのこきらいのkasmiのレビュー・感想・評価

おんなのこきらい(2014年製作の映画)
1.5
見る前から、ミスiDの女の子が好きな映画欄に書きがちな映画、というイメージだった。
「可愛い」を信仰し絶対善であると信じ込み、コミュニケーション能力や才能の欠如すらも「可愛い」によって埋め合わせられると勘違いしてる、顔面の可愛い女の子。ほんとによくミスiDで見るタイプだ。
他のものを犠牲にしてまで手に入れた「可愛い」を守るため、自尊心の防壁を張り、ひとりで戦ってる。ストイックなまでの「可愛い」への執着心。彼女らにあるのはひたすら渇望で「愛されたい、欲望されたい、モテたい」って露骨な欲求が見えている。隠したくても隠せないそここそを、「可愛い」と呼ぶことができたら楽なのにと思う。

女がそれだけ葛藤しているというのに、男はほんといいご身分だ。
世の中には当たり前のように女を消費する男ばっかりじゃないと信じていたいけど。
私はもとよりアンチルッキズムの立場だからキリコみたいな女とはぜんぜん違うけど、それでもあのエンドには少しモヤモヤした。
彼女たちの葛藤が無駄戦なのは知っているが、それでもどこかで報われていてほしいからかもしれない。

「可愛いだけじゃダメなんだ」と気づくキリコの顔は清々しくて、「そりゃそう」なんだけど、どこか釈然としない思い。
でも、このエンドの先にこそ、キリコのような可愛いに呪われた女の子たちの日常があるのかもしれない。報われなかったとて、「可愛い業」簡単に辞められるもんじゃない。だからこそ、みんなこの映画が好きなのかもしれない。

途中途中で挟まる、地下アイドルみたいな女の子が歌う安い音楽が気になった。一気に映画のアングラというかキッチュな質感を出してる。
kasmi

kasmi