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ギヴァー 記憶を注ぐ者のまのネタバレレビュー・内容・結末

ギヴァー 記憶を注ぐ者(2014年製作の映画)
2.8

このレビューはネタバレを含みます

期待以上だった。最近のこの手の映画って今までの旧作からストーリーは進展せず平凡でただ映像ばかりが何となくキレイめになってるやつが多かったけど、これは結構良かった。

やっぱりモノクロの世界から何かを知るたびに主人公の世界が色付いてくって演出が、見てる観客も同時に体感していく形式だったから心地よかったのかも。
シックな色彩も良かったし色付いた後もキレイだった。
主人公が新たに学ぶのと同時に観客もああ世界はこんなだったなと気付いていく感じが良かった。

儀式とかはちょっとダイヴァージェントっぽかった。その後のストーリーも真実に気付いた主人公が愛する人を引っ張り上げる感じが似てるなとは思った。

残念ポイントとしては時々あるスローモーションブレ画像が見づらかったしちょっと集中力を削いでくる。
好意的に見れば油絵とか絵画みたいに見えなくもないけど、あんまり良くなかったな。デッドシティー2055でも思ったけどやっぱりスローモーションは安易に使うとダサくなる気がする。
それこそマッドマックスとか300に見られる急激な加速とか反復とかが心地よいと思っちゃう身としてはあんまり好きじゃないな。
でも「強さ」の画像はブレて無くてパシッと決まっていたからそこは良かった。てかそこを決めるためのブレだったのか?曖昧なもの時として弱いものだからブレたのか?
にしてもちょっと違う気はする。

あと写真のチョイスが全体的には良いけど時たま微妙なのがあった。「~げ」な記号画像がちらほら。それに訓練のシーンももうちょっと描きこんでほしかったな。
あ、でもピアノのシーンはナイス!やはり音楽は心を揺さぶってくる。

もう一つ最大の残念ポイントが赤ちゃんの扱い雑すぎ(笑)
ちょっとハラハラしすぎて話半分入ってこなかった。
てか赤ちゃん体力やべえ。全然健康優良児じゃん(笑)

最後色付いた世界に人々は感動するけど、全てを知ってしまった後のお父さんが心配。おそらく自己嫌悪にまみれてしまうのではないかと・・・。てか「解放」関係に携わってた人皆心配。長老に対して暴動とか起きそう。よくもこんなことさせたなって。

それに最後、「本物のホームに帰れる」ってのはちょっと欺瞞じゃないかとは思った。
さんざ人の残酷性を見せてきて、でも最後に人は強いんだより良い未来を築けるんだって諭しといて、曲がりなりにも数十年一緒に過ごしてきた疑似家族を偽物ってんでまるっきり縁を切ってしまうのは他者に対してあまりにも無理解じゃないかな・・・と思ってしまう。
主人公側から歩み寄る描写が欲しかった。
主人公がよりよい未来を創るため「選択」した結果として。

とまあ色々残念ポイントはあったけど、見終わった後の気持ち的にはなかなかいい方。
ま