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ローマに消えた男のcrnのレビュー・感想・評価

ローマに消えた男(2013年製作の映画)
3.5
躁と鬱に分かれた双子が入れ替わり、だんだん近づいていくように見せるという物語の筋以上に、それを成り立たせる周辺要素の重ね方が良かった。政治とアート、ローマとパリ、の対比は、魅せる画面を創りつつ、双子の性格の違いをよく見せていた。そして、鑑賞者と同じように双子に翻弄される脇役や、鑑賞者の知らない双子を知っている脇役が、すんなりお話に引き込まれるよう手伝ってくれていた。主な人物たちの年齢層もあって落ち着いていることもあり、全体的にゆっくりした雰囲気があるのに、実は結構なペースで物語が進んでいるのにも驚く。

最後に戻ってきた彼は消えた本人だったと当たり前に思っていたので、解釈が分かれ得ることを知りもう一度見たくなる。二度観ても十分楽しめる作品。
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