おいちゃん

ハングリー・ハーツのおいちゃんのレビュー・感想・評価

ハングリー・ハーツ(2014年製作の映画)
3.8
流石アダム・ドライバーと言った冒頭の長芝居から速攻で妊娠&結婚。
そして悪夢のスピリチュアルオーガニック育児が始まる......

という恐ろしいヴィーガンママの話であり、スリリングな狂気に満ちた映画だが、そもそも無許可で中に出してしまった男が原因とも言えるわけで。
お互いがお互いの育児方針を水面下で進める育児冷戦が静かながら壮絶。
魚眼レンズ演出で表現される歪んだ家庭の空間が怖すぎる。

アダムもそうだが相手役のアルバ・ロルバケルの背筋も凍る芝居が凄すぎた。
悪役ではなく心の底から息子を愛するメンタルをやられてしまった母親を完璧に演じきっている。

母親が悪役にされてて可哀想という感想をよく見かけるが、自分はそうは思わない。
母親が息子を連れて行き海に行くシーンは明らかに幸せと安堵のシーンだし、罪の数で言えば前述通りでどちらの勝利でもないあの結末を見れば映画としての立場は比較的ニュートラルだったように思う。(まあ普通に虐待なんでこういう育て方はNOですけど)

にしてもアダム・ドライバー、過去作から「マリッジ・ストーリー」に至るまでこう言う役が多いね本当。
あっ、「最後の決闘裁判」もか。

ロバータ・マクスウェルもいい味出してます!
おいちゃん

おいちゃん