Hally

キャロルのHallyのレビュー・感想・評価

キャロル(2015年製作の映画)
4.3
ラストシーンの2人だけの世界。あの場で交わされたお互いの表情だけでの掛け合い。自分の心があの表情1つで弾けた気がした。答えてあげれなかったI Love Youがラストで花開く。あの苦しすぎる切なさすぎるシーンがラストの美しさをより華やかで感情的なモノとしている。

全体的に美しすぎる作品。50年代のファッション、車、仕草。風景画のような画面作り。特に印象的なのは結露した車の窓越しに映される2人の表情だ。そして何よりも抜群に抜群なキャスティング。全体的に完成度が高い作品だと感じるが何よりもキャスティングだろう。ケイト・ブランシェット演じるキャロルの視線、指、手の添え方、姿勢、歩き方から伝わる 溢れ出る美しさに キャロルとは反対の美しさ、可愛さを醸し出すルーニー・マーラ演じるテレーズ。物語が進むに連れて変わってゆくテレーズ。終盤のテレーズが醸し出す美しさの変化には息を飲まずにいられない。花開くとはまさにな表現だろう。

愛はどんな"かたち"であれ愛だ。純愛だ。と信じたい。愛に道徳的条項なんてあるのかな。許されない恋があるのは分かってる。でも道徳的って。まだ20歳にもならない私には未体験な世界や味わった事のない感情、知識があるだろう。愛は愛だ。

この事を教えてくれたのは映画だ。
Hally

Hally