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ハッピーボイス・キラーのTTのレビュー・感想・評価

ハッピーボイス・キラー(2014年製作の映画)
4.5
超面白かった。サトラピの映像作品の中では一番好き。他のどの映画にも似ていない、ポップでブラックなユーモアに満ちた秀作。

統合失調症の主人公の主観で話が進行するため、主人公にはハッピーで明るい世界という風に見えているが、現実は目を背けたくなるような光景が広がっているというギャップが良い。

ライアン・レイノルズはハマり役。『テッド』を観た時に「この人、近い内に消えるな」と馬鹿にしていたが、本作で初めて良い俳優だなと思った。彼の顔が整いすぎていて好青年な感じが、『サイコ』のアンソニー・パーキンスみたいな気持ち悪さを醸し出していた。気持ち悪さで言えば、『ナイトクローラー』のジェイク・ギレンホールと双璧。

アナケンドリックが今回もキュートで素晴らしい歌声を披露していた。

本作は『マニアック』みたいな物語だから、悲劇的な映画になりそうなところを、全くそうする気がない所が絶妙。多幸感に溢れたエンディングで締めくくられたのには、良い意味で席からずり落ちた。
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