こたつむり

ドクター・ストレンジのこたつむりのレビュー・感想・評価

ドクター・ストレンジ(2016年製作の映画)
3.9
医療と幻想のコラボレーション。
『マーベル・シネマティック・ユニバース』第14作目。

マーベルヒーローの映画に何を求めるのか。
それによって評価が大きく分かれる作品だと思います。ど派手な映像はありますが、ドンパチアクションだけを追及する向きには不評かもしれませんね。

しかしながら、ヒーローとは不屈の存在。
なんて思っている僕にとってはど真ん中でありました。なにしろ、主人公の中には確固たる信念がありますからね。傲慢と呼ばれようとも譲らない“自分は医者だ”という信念。うんうん。これこそヒーロー。幾度となく倒れても立ち上がるために必要なもの。僕はそこに痺れて憧れちゃうのです。

また、マーベル初心者を想定しているのか。
ひとつひとつの描写がとても丁寧でした。主人公の想いや仲間の立ち位置、ヒロインの心情。師匠や敵の考え方…などを説明し過ぎず、しかしながら困惑しない程度に描いていますから、とても入り込みやすいです。

ただ、気になるのが。
現実世界の“医療”は添え物であり、メインは“魔術”だということ。闇の魔術とかアストラル体とか並行宇宙とか、そういう世界観なのですよね。これって、これまでのマーベルヒーローたちの世界観と相性が悪い気がするのです。神話世界の英雄であるマイティ・ソーが持て余し気味のように。

だから、今後の作品展開が気になる次第。
冷静に考証するとキャプテン・アメリカなどが弱く感じてしまうはずなので、多少の能力補正や戦闘スタイルの変更が掛かると思うのですよね。んー。“不屈の精神”が彼の持ち味だと思いますので、力押し一辺倒の闘い方とかに変更してほしくないなあ。

あと、欧米の作品でよくあるタイプの。
チベットとかネパールとか…あの辺りの場所に幻想を抱いている描写に少しだけ萎えました。と言うか、他の作品でもそうなのですが、アジア方面なのに誰も彼もが英語を話す…というのが気になるのです。細かいツッコミでスミマセン。

と、良い点と悪い点が混在していますが。
ドクターストレンジの顔見世興行としては及第点以上の作品でありましょう。2時間以内でコンパクトにまとめたのも高評価です。そして、個人的には、まさか“布切れ”に萌える…という人生初の出来事に驚愕でありました。あ。でも“布切れ”とか言ったら怒りだしそう…。うは。萌え。

To be continued… →→→ 『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー: リミックス』
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